2017.08.31
momoが61件目の融資先に決定したのは、岐阜県は各務原に拠点を構える「結の舟(ゆいのふね)」。事業内容は若手川漁師による地域に開かれた実店舗の運営です。代表は、33歳の平工顕太郎(ひらく・けんたろう)さん。長良川の伝統漁法を継承する、唯一の若手川漁師です。現役世代で65歳以下はたった一人の担い手である彼が、なんとかして川文化の継承をしていかなければと奮起し、事業を起こしました。
<清流・長良川で、いま起こっていること>
平工さんが日々、漁をしている長良川をはじめとした岐阜県の清流は、古くから伝わる地域に固有の豊かな川文化と、多くの伝統工芸を育んできました。岐阜県の地域資源はまさに”清流”が支えている、とも言えます。2015年12月には「清流長良川の鮎」が世界農業遺産に認定され、流域の住民の機運もますます高まっています。
しかしその一方で、長良川で漁業によって生計を立てられる現役世代の漁師は皆無、という厳しい状況。さらに伝統漁業になくてはならない「漁船」と「漁網」を生み出す舟大工と製網所は、流域にわずか一軒ずつ。加えて、人びとの川離れや魚離れも進んでいます。清流文化とともに育くまれてきた長良川の漁業は、まさに風前の灯火!
<代表平工さんと長良川の出会い>
大学で水産学を専攻し、卒業後は川遊び体験のインストラクターをしていた平工さんは、子どもたちの川離れと水難事故発生の関係や、地元の人ほど良質な鮎を食べたことがないという「川離れ」の現実を目の当たりにしました。また、良質な川魚が地元に流通しないことにも疑問を抱くように。一度は生活のために他業種に転向したものの、川文化に触れたあの感動が忘れられず、家族を説得して川漁師の道に進むことを決断しました。今はご家族の応援のもと、事業に取り組まれています。
<川のヒーロー現る!>
事業を始めて3年目を迎えた平工さんは、長良川のそばに拠点を構えることを決意します。思い描いたのは、若手川漁師がプロデュースした、新たな清流文化を発信する拠点。清流文化のブランドを向上させ、住民と川がもっと身近になることを目的とした場所です。検討の結果、水産研究所や水族館などの関連施設も近い各務原市役所近くの物件を、新拠点に選びました。具体的には、天然鮎の生鮮販売やお弁当の販売、魚食普及活動としての魚の捌き方講座や天然鮎の料理教室などのイベント開催、川遊びインストラクターの経験を生かした青少年向け環境教育や自然体験プログラムの提供などを、新拠点で行う予定です。長良川のヒーローの誕生です!
<momoの融資資金は新店舗開設に使われます!>
このたびmomoは「結の舟」へ、店舗運営の資金90万円を融資することを決定しました。融資期間は11ヶ月間。この90万円は、店舗の改修費用のほか、厨房機器や調理器具の導入にかかる費用や、市民参加型プログラムで使用する水槽などの機材購入費に充てられます。店舗のオープンは9月1日。長良川流域に住まう、たくさんの人びとの縁や希望を結ってこしらえた「結の舟」。いよいよ出航本番ですー!
結の舟のお店はこちら☆
住所:岐阜県各務原市那加桜町2-297(名鉄「各務原市役所前」駅から徒歩1分)
営業日時:不定
(〜11/30までの鮎漁の期間中は漁の合間、平工さんが店舗に居るときにだけ営業。
営業詳細は「結の舟facebookページ」にてご確認ください。)
(momoレンジャー まなみん)
2017.08.31
小・中・高校が夏休みに入り始めた7月19日、東海地方を拠点に活動する一般社団法人Foraの東海支社「Nexus」(読み方は「ネクサス」、以下Nexusと表記)に訪問してきました! プロジェクトマネージャーを務める長谷川さん(現在大学3年生)へのインタビューを行い、Nexusのミーティングにオブザーバーとして参加してきました!
Nexusは高校生の進路選択が納得のいくものになるよう、高校生が自らの人生を考える場を作っている団体です。
●長谷川さんにインタビュー!
Q、Nexusの理念、想いいはなんですか?
A、人生に『問い』を持ってもらうことで高校生が納得のいく進路選択を実現したい! 仮にうまくいかなくても、後から修正できるように、今のうちから自身のことについてをもっと考えてもっと知ってもらいたい、と思っています。
Q、長谷川さんにとって、高校生とはなんでしょうか?
A、高校生は僕にとって「希望と可能性」です。人の可能性、選択肢を広げることが私の夢です。
●ミーティングの様子をご紹介します!
まず足を運んで驚いたこと、それは、Nexusのメンバーは代表の塚本さんを除き、みんな現役大学生で構成されているということ。 融資を受けているぐらいだから、きっとお固い大人が運営しているのだろうと思っていたので、驚きを隠せなかったのと同時に、親近感が湧いてきました。
大学のゼミ室に集まり、机を並べて全員が向かい合う形で座りました。各自の近況報告を終えたあとは、ワークに移ります。
お題は、「キャリアとは」。キャリアの語源から始まり、高校生への実施プログラムに関連する話へ進んでいきます。ホワイトボードを使って図式化したり意見を言い合って、高校生が本当にやりたいことを見つけるため真剣に考えていました!
ミーティング中は、話がいき詰まりそうになったら、時どき笑いを入れながらみんなが意見を言いやすいようにする雰囲気作りがなされていました。 楽しい授業を提供するためには日頃の楽しい雰囲気作りが大切なんだな、と感じました。
●Nexusが求めることについて
Nexusの願いとしては、自分たちの活動を広く知ってもらうこと。特に教育関係の仕事に就いている人や学生に知ってもらいたいそうです。いろんな人たちに広めていかねば…!!
メンバーの中には、「出身校で授業を行いたい!」という方もいました。 それってとても魅力的なことではありませんか!?
今後の動きに注目です!
以上、Fora 東海支社 Nexusの紹介でした!!
(momoレンジャー るんるん)
2017.08.31
momoレンジャーのこんこんです。今回は私が以前から関心を抱いていた「週休3日制」について自身の思いを交えつつ紹介していきたいと思います。
日本でも導入する企業が増えてきているこの週休3日制について、最近のニュースでよく取り上げられる機会が増えたような気がします。働き手の視点から見れば、単純に休みが増えることを歓迎する人もいれば、その分働く時間とともに収入も減少するのではと不安を抱く人、有り余る時間の使い方に戸惑う人など反応はそれぞれなのではないでしょうか。最近ではヤフーやユニクロなど知名度のある企業が導入を始めており、多様な働き方を認めさまざまな人材を集めるという意味では、雇用者と被雇用者の双方にメリットがあるのではないかと思います。
■週休2日制の成り立ち
現在、日本のおおよその企業が土日休みの週休2日制を導入していますが、そもそも、この週休2日制はどういった経緯で始まったのでしょうか?
日本ではある特定の時期を境目に週休2日制が一斉に導入されたという訳ではなく、1980年代から徐々に企業で採用されるようになり、2000年近くで多くの会社で採用されるようになったようです。なお、日本で初めて週休2日制を導入したのはパナソニック(当時の松下電器工業)と言われています。この週休2日制は法律で義務化されている訳ではなく、労働基準法に基づいた労働時間を厳守していれば導入を検討するか否かは各企業の方針に委ねられているということです。
■余暇時間にできること
過去からの経緯を考えれば、週休3日においても大企業を中心に広がることで、いつの間にか当たり前のものとなる日もそう遠くはなさそうです。この制度が導入されれば、仕事との両立が難しかったような育児や介護に時間を注力できるようになり、多様な働き方を選択できる可能性が高まると予想されます。その他にも、人によっては空いた時間で副業を始めたり、働きながらにして、自身で新たに事業を起こす人も現れてくるかもしれません。近年、「パラレルキャリア」という、本業とは別に余暇時間を利用して第2の活動を始めることを意味する言葉が注目を集めていますが、まさにこの意味通りのことが現実味を帯びてきそうです。
とりわけ、私自身もmomoレンジャーとしてボランティア活動に携わる上で、現在勤めている会社とmomoの2つの組織に属しているということになるのですが、momoでの活動を始めるきっかけになったのがこのパラレルキャリアという言葉を書籍で知ってからでした。以前までの私は社会人ゆえの時間の制約や、限られた行動範囲での生活をしていたこともあってか、漠然とした閉塞感のようなものを感じていて、そのような思いも相まって何か今の生活とは異なった環境に身を投じてみたかったという思いもから、momoレンジャーの活動に携わるようになりました。
ミーティングや融資先の訪問などに参加する中で得たもの、それは身近な社会問題を解決しようと行動を起こしている人たちが大勢いるということ、そして、関わる人たちが純粋にそれぞれの志を持ってソーシャルビジネスに取り組んでいることを関わり合いの中で実感できたことです。ボランティアを始めてから今日までに刺激的かつ貴重な経験を積めたことや新たな価値観を知ることができたのは、まさに第2の活動に携われたことによる結果だと考えています。
今後、週休3日制の普及により時間的なゆとりが生まれれば、ソーシャルビジネスのような活動に関わりたいと思う人やその機会が今まで以上に増えていくのではないでしょうか。そんな近い未来を見据えて、私自身の気持ちとしては、今後もこのmomo通信を通じて多くの人たちにソーシャルビジネスに興味や関心を持ってもらえるようこれからも情報を発信していけたらと思います。また、将来的に多くの人がこのようなコミュニティに参画するきっかけとなれば嬉しいです。
(momoレンジャー こんこん)
2017.08.21
2017.08.06
2017.08.06
2017.06.29
2017.05.31
momoレンジャーのゆっこです。今回は大学の調査実習という授業で行ったグループ研究について書きます。研究テーマは「NPOへの参加経路」です。参加経路によって組織への関わり方や個人的属性に違いがあるかどうかを調査しました。学生が行った調査なのでまだまだなところもあるかと思いますが、こんな感じなんだーと読んでもらえると嬉しいです!
藤本隆史氏が2008年に行った調査(以下:先行研究)では、NPOへの参加経路は一般企業よりも紹介によるものが多く、偏りがあることが明らかとなりました。私たちは約10年前と現在で変化がみられるのか、先行研究と比較検証することを、調査の目的としました。インタビュー調査とアンケート調査を実施しましたが、すべて書くと非常に長くなってしまうので、アンケート調査で変化が顕著であった項目をピックアップします。調査対象はランダムサンプリングで抽出された、名古屋市内のNPO法人36か所です。
今回の調査ではNPOへの参加経路として、紹介よりも公募による参加が少し多い、という結果になりました。
<先行研究>組織運営やミッション方針決定への関与度(%)
<今回の調査>
上の図のとおり、組織運営の関与度に関する項目で先行研究では紹介による参加者が関与度が高かったのに対し、今回の調査では公募による参加者の方が高くなっています。
また、先行研究において、活動を始めた動機として、「社会に貢献したいと思ったから」「NPOの理念に共感したから」に当てはまると答えた人は、紹介の方のほうが多かったのですが、今回の調査では公募の参加者のほうが多いという結果になりました。
現在のNPOに対する満足度は先行研究では紹介、公募にほとんど違いはなく、約2割の人が満足していると回答しました。
<今回の調査>紹介と公募の満足度の違い
上の図は今回の調査結果をグラフにしたものです。ご覧の通り、ほとんどの項目において紹介よりも公募の参加者の方が満足度が高くなっています。
先行研究では紹介による参加の方が良い結果を生むという結果が出ていましたが、今回の調査において公募による参加でも良い結果を生んでいることが明らかとなりました。約10年前と比べ、確実にNPO組織に変化が起こっていることが言えます。
今回は内閣府のHPに載っているNPOからサンプリングを行ったのですが、活動を行っていない、または連絡が取れないという団体が3分の1程度ありました。衝撃的でした。NPOが嫌いになるほど調査分析は大変でした。
(ゆっこ)
2017.05.31
2017年4月2日(日)、庄内緑地公園に近い「コミュニティカフェかかぽ」を貸し切り、お花見会を開催しました!今回はmomoレンジャーのきたが、その様子についてお伝えします。
会場はmomoの元融資先である一般社団法人しんが運営するカフェスペースで、庄内緑地公園駅から歩いて徒歩3分…といいつつ、なかなか見つけることができませんでした。どうやら案内の地図が間違っていたようで、10分以上かけてようやく到着。見た目は「街中の小さなケーキ屋さん」といった感じで、静かな住宅街の中に突然こぢんまりとしたきれいなカフェが現れました。
正面から入ると手前にダイニングテーブル、奥にはキッチンがあり、午前中から準備をしていた、おいしそうなおかずやお酒がずらり。momoレンジャーも含め、大人たちはそれらのおかずとお酒のテーブルを囲い、部屋の端から入り口付近では子どもたちが走り回り、とてもにぎやか。私が遅れて到着したときには、みなさんすでに箸が進んでいて、盛り上がっている様子でした。
後で聞いたのですが、実は準備の時に人手が足りてなかったり、買い出しのスーパーが近くになかったりと、てんやわんやだったそうで。準備してもらったみなさん、ありがとうございます!
さて、つまみとお酒が程よく進んだところで、いざお隣の庄内緑地公園へ移動し、お花見に。この日はここ数日では珍しく、日中もぽかぽか陽気で絶好のお花見日和でした。公園には運動する人たちや家族連れなど、非常ににぎわっていました。
さて、肝心の花はどうだったのか?
………
そうです! 残念ながら見事なまでの2分咲きでした!(笑)
こうなると、みなさん花よりお酒のようですね。
今年は咲くのが遅かったようで、私たち一行は枝だらけの木を囲ってお花見をしました。それでも、室内でわいわい飲むのも、外でゆっくり飲むのもどちらもお酒がおいしくいただけて満足しました。ごちそうさまでした。おかげで少し飲みすぎたような気もしますが、よしとしましょう。そして、来年は花が咲いている時期にお花見をできることに期待しましょう!
毎年恒例のお花見会ですが、やはりmomo内部の人だけでなく、関わっているみなさんに参加してもらえると、普段の活動とはまた違った会話や雰囲気、楽しさがあるなあと感じる一日でした。今後もぜひ、地域の方やmomoに関わりのある人にも参加してもらい、つながりを大切にしていけたらいいなと思います。
2017.05.31
2017年5月初旬の小雨が降る中、今月末で完済を迎える株式会社スピリットを訪問しました。スピリットの拠点は高山市の中心街から車で数分の場所に位置し、森林に囲まれた自然豊かな環境の中で堆肥製造や農園の運営などをされています。
今回の訪問では、スピリットの代表である藤原孝史さん、藤原孝史さんのご子息であり事業をお手伝いしている藤原郁馬さん、農園担当スタッフの増田さんに出迎えていただき、現状や今後の展望などさまざまなお話を伺うことができました。
前回のレポートでも紹介していました、スピリットが生産する「臭いのしない堆肥」。この堆肥を生み出す秘密は牛のエサの中に特別な材料を加えることにより実現するとのことです。普段私たちも聞き覚えのあるモノ・・・それは生き物の腸の働きをよくする「乳酸菌」です! その特別な乳酸菌の働きにより、牛の腸内環境が改善されることで、臭いがなく豊富な栄養分を含む堆肥の生産に結びついています。この乳酸菌はスピリットが提携する牧場に提供されていて、飼育する牛が健康的になったと牧場の経営者のみなさんから高い評価を受けているようです。堆肥を作り出す過程で、お互いにとってのメリットとなっているなんてとても驚きです。
今後も堆肥の品質の向上を目指すと語る、代表の藤原さん。同時に、藤原さんが目指す循環型社会に向けての具体的な取り組みについて、ジオラマを用いて教えていただきました。
現在、スピリットでは堆肥とともに、野菜の生産も行っています。今後は野菜の「少量多品目」による生産を目指すことや、堆肥、野菜に加えて飛騨地鶏や豚の飼育も手掛ける予定もあり、将来的にはすべての食材を自産自消でまかなうレストラン経営を目指しているとのことです。加えて、この地域は森林も豊富で林業に適していることから、林業としての活性化を図る事業の展開も進行中です。その主な方法は、割り箸の生産・販売を手掛けることで、地域産の割り箸を地域に広めること。なお、この割り箸の生産過程で生じる「おが粉」は堆肥の生産においても利用できるため、無駄が生じず、まさに循環型社会の実現に近づくための活動になると思います。
代表の藤原さんは、これらの実現のために欠かせないのは「生産者と消費者がつながりを持つこと」、そのきっかけを作ることが大切だと言います。実際、その取り組みとしてスピリットが生産する堆肥を用いて、東京のビルの屋上で野菜を育てるといった活動にも携わっており、普段農業に関わる機会のない人に体験できるきっかけを提供しているとのことです。
また、農園担当スタッフの増田さんも、農場外でのユニークな取り組みを行っています。今年2月、増田さんは1か月間東京に滞在し、企業や個人のお宅などさまざまな場所を訪問して、自身が農業を通じて得た経験や知識を活かして野菜の面白さを伝える活動をしていたとのこと。普段から野菜と接している増田さんだからこそ知る、その興味深い内容に多くの人が耳を傾けたようです。
「野菜以外の価値を作りたい」との思いで始められた増田さんの活動。「野菜作りを指導する人はいても野菜の魅力・面白さについて語ることのできる人は少ないと思います。それを伝えていくことに今後大きな需要があるのではないでしょうか。」と語る増田さんの今後の取り組みに注目です!
そんな増田さんが立ち上げたブログ「ヤサイくんブログ」にて、東京での生活を知ることができます。また、「みな土農場」のブログにおいても過去の増田さんがまとめた面白い記事を読むことができるので、詳しく知りたい方はぜひのぞいてみてください!
訪問のなかで、代表の藤原さんは「人が野菜を育てるのではなく、野菜は自身で育つ潜在能力があり、それを発揮できる環境を人が整え、手伝うことが必要です」と話していました。その思いが込められた言葉から、藤原さんの農業に対する信念を改めて知ることができたとともに、自然環境主体の、まさに循環型社会を目指す藤原さんの原点になっているのだと感じました。
まだまだ語りつくせないほど長時間さまざまなお話を伺うことができ、とても有意義な時間を過ごすことができました。また、スピリットの完済イベントも現在計画中ですので、ぜひとも楽しみにしていてください!(こんこん)