momo

2020.12.20

社会をよくする話

コロナと外国人技能実習生、草の根でできることは何か

 momoレンジャーのたけひろです。

静岡に住んでいますが、オンラインが増えたこともあり、最近リモートレンジャーとして活動に参加しています。

現在私が所属しているNPO法人で、外国人技能実習生とのオンラインでの交流活動を行っています。

 

もともとは私は個人的に地域の日本語教室の活動に参加していたのですが、それがコロナウイルスの影響でストップしてしまいました。繋がりのある外国人から「日本語を話す機会がなく困っている」という相談を受け、私が所属しているNPO法人が主体となって、地域の日本語教室の代替として試験的にオンラインで日本語教室を開催したのです。

 

やってみてわかったことは、オンラインだと、日本語がある程度話せる人でないと少し難しいというデメリットがある一方で、日本語教室の開催場所が近くにない外国人や、日本語教室に直接ボランティアに行くのは難しい人の双方が参加しやすいというメリットもある、ということです。

 

そこで、そのメリットを最大限に生かし、土曜夜に1時間だけ会話を中心とした交流活動を行う外国人技能実習生向けオンライン日本語サロンを、大学生のボランティアとともに9月からはじめました。

 

なぜ外国人技能実習生向けなのかというと、もともと参加していた地域の日本語教室に参加していたため比較的日本語レベルが高い人が多いにもかかわらず、職場・アパート以外のコミュニティとのつながりが少ないという人が多いためです。

 

私は、元々日本語を教えることが好きというより、日本で生活する外国人の暮らしが気になるという気持ちが強いです。日本語を使いながらも、交流を軸としてお互いの暮らしや文化を相互に楽しんで学ぶ場を目指して活動しています。

 

外国人技能実習生をめぐるニュースでの報道といえば、家畜の盗難、労働問題などが多く、楽しく交流なんてとても想像できない、と感じる人も多いと思います。

 

確かに、外国人技能実習生の制度上には課題があると思います。(今回は深くは触れませんが)

 

一方で、労働環境などに問題がなく、日本での生活をより充実させたいと思っている外国人技能実習生もいます。しかし、メディア報道によって、技能実習生への日本人のイメージが悪いのが現状です。それにより、とても交流を楽しもうという発想が生まれず、いい環境にいて日本語が話せる人も、職場以外では日本人と接点がない人が多いというのが私の感覚ではあります。

 

現在、欧米諸国で起こる移民をめぐる社会の分断の問題を将来日本で起こさないためには、外国人と共に暮らすためにできることは何かを、みんなで考えていく必要があるのではないでしょうか。

 

コロナ以前から接点が持ちにくく、社会の中で見えにくい存在の外国人技能実習生を少しでも身近な外国人として感じられる人を増やすために、微力ですが、オンラインでの活動を続けていきたいと思います。

 

 

2020.12.13

融資先:タチキカラ

木こりさんに会いにータチキカラ訪問

momo65件目の融資先「タチキカラ 北三河」代表の杉野さんはサラリーマンから転向し炭やき職人、木こり、木挽き職人、自治区の定住委員、自然ガイドと幅広く活動されている方です。

 

 

建設会社跡地を居抜きで購入し、ご縁で使わせていただいていた製材機を購入し、移転しました。その購入、移転費用の一部をmomoで融資させて頂きました。

今回のmomo通信では「杉野さんってどんな人?」を、豊田市の現場に訪問してインタビューしてきた、momoレンジャーひとみんがお届けします!

 

杉野さんは、豊田市の山の中にある製材所で、森林組合と材木屋で購入した木やご自身で伐採した木を製材されています。

脱サラしてから17年、豊田市旭地区に移住して11年目となる杉野さん。 山のあり方、里に住む人のあり方や生き方に信念を持って関わっていらっしゃいます。

杉野さんが日々どんな事を思い、自然や人・ご自身と向き合っているのか、どんな仕事をされているのかは、杉野さん のフェイスブックやホームページで垣間見ることができます。

 

そんな杉野さんは、木工製品を作る際に、山にある元々の立ち木から、木工製品を購入したい方に、山で育てている木をいくつか紹介し気に入った木を選んでもらい「今日からあなたの木ですよ。」と、伐採し製材して商品にする、という全ての工程がわかるような取り組みをしています。製品となる前の「立ち木」の状態から始まる…だから「タチキカラ」なのです。

自分と暮らす家具や家の材料が、どこで生きてきて誰がそれを収穫し、誰が加工したかが分かり、オーナーまたは購入者の安心安全につながる。それはシンプルな方法に見えるかもしれないけれど難しい仕事でもあります。

 

「小さな規模でなるべく多くの工程に深く関わり、木を生き物として扱う」ことがタチキカラのポリシーです。

 

 

木を生き物として扱うため、木を伐採する時期も大切にされています。 スギやヒノキを伐るのは伐り旬といわれる秋の彼岸から春の彼岸までの半年。その半年間に6〜7回訪れる「新月期」と呼ばれる期間に伐ります。

 

「新月期」とは、下弦から新月までの一週間です。 杉野さんは旧暦をいつも意識されているそうです。

旧暦とは、まさしく月の巡りそのもの。旧暦と24節気を身体で意識することで、少しでも山に近づきたいと思い暮らしている、というお話からも山と向き合って山と共に暮らしてみえるご様子が伝わってくるように思いました。

 

なぜ新月期かというと、月の満ち欠けは海面を上昇・下降させるため、生き物に多大な影響を与えま す。木のバイオリズムにも影響を与えます。 満月の頃はバイオリズムが上昇のピークで、植物のデンプンが増える為、虫が寄りやすくなります。

一方、新月期はデンプンが下降のピークで虫が寄りにくく、生き物として大人しくしている時期なので木材にした時も暴れにくいのです。新月期に伐った木は燃えにくいという話もあります。木を伐るのに月の満ち欠けが関係してくるなんてロマンチックであり、科学的な根拠もあるということで驚きました。

 

また、タチキカラでは「目切れ無し製材」も大切にされています。「目切れ無し製材」とは年輪を切らない強度を考慮された切り方です。

杉野さんのお話はどれも驚きや学びが多かったのですが、中でも印象的だったのが、間伐材のお話でした。

杉野さん曰く「間伐材という木材はなく、それは人がつけた名前。 間伐は悪い木を見つけるのでなく、“より良い木を残す、残したい木を見つけ育てていくために支障のある木を切ること”」なのだそう。

間伐材という言葉一つからも、杉野さんの山や自然に対するこだわりが伝わってきました。

 

こぼれ話ですが、うかがった際にスギの赤身を短く刻んで煮出した飲み物を出して頂きました。 木の香りと味わいがとても素敵でした! 味や香りが上手く伝えられないのが残念ですが、今後商品化 もあるかもしれないとのことなので、ご興味のある方はその際はぜひ!

 

杉野さんが日々どんな事を思い、自然や人・ご自身と向き合っているのか、どんな仕事をされている のかは、杉野さんのフェイスブックやホームページで垣間見ることができます。

木の話だったり、哲学的な話だったり…と読んでいて楽しくもあり、感慨深くもあります。 次のお仕事の話やこれからしたい事など、たくさんお話していただきました。

忙しい中、私達の訪問を受けお話いただきありがとうございました。

 

 

 

 

2020.12.04

特集

「倍返し!?」momoに参加した私の逆襲

momoレンジャーのあーちゃんです。

 

みなさん、元気にお過ごしですか。

 

私は、妻の職場復帰に伴う家事育児の分担、資格試験の勉強、中部大学が運営する中部サステナ政策塾への参加と、近年まれにみるバタバタした日々を過ごしておりました。

 

 

(私は4歳と2歳の子を持つ父であります)

 

 

そんな私も、momoレンジャーとしてボランティアに携わって一年半が経ちました。

 

学生時代、社会人になってからの十数年、ボランティアとは無縁の生活を送っていた私でしたので、昔からの友人は「興味あったっけ?」と不思議そうな顔をします。

 

このウィズコロナによって多くの人が働き方や社会との関わり方を見つめ直し、ボランティアやプロボノにも関心を持つようになったと聞きます。

 

今回、私がボランティアに参加したきっかけ、

momoの様子をお伝えする事で、ボランティアやプロボノに興味がある方にとって少しでも参考となり参加への後押しになればと思います。

 

 

『私には夢があります!…あったはずです…』

 

学生時代、地域や地域事業者の力になりたいと思った私は、地方銀行に就職しました。

 

半沢直樹にも負けず劣らず(?)の熱い思いを持って就職した私でしたが、日々を業務に追われ、時間に追われ、目標に追われ、私の思いはいつの間にか後ろ後ろの方に追いやられてしまいます。

 

自身の融資営業力にも限界を感じ始め、精神的にも能力的にも行き詰った私は、勤続10年を目前に銀行を辞めることにしました。

 

 

『この想いあたためますか』

 

新しい職場にも慣れ 家庭もひと段落した頃、湧き上がってくる地域貢献への想いと、自身の存在意義を問いただす日々を送っていた私は、夜な夜なネットの世界へ自分探しの旅に出るようになりました。

 

いつものようにネットの世界を彷徨っていたある日

 

「うん?コミュニティ・ユース・バンクmomo?

NPOバンク…知らないな」

 

「私のお金を地元に生かす志金か…この融資のスキーム面白いな…伴走支援!こういう事をやりたかったんだ!」

 

この時の衝撃は忘れもしません。

 

自分探しの旅を中断し、興奮冷めやらぬまま レンジャー(ボランティア)募集へ申し込みしようとするものの 下期の募集が終わったばかりで次回募集は半年後…。

 

この日から半年間、私は夜な夜なmomo通信を読み漁り、momoの由来となったミヒャエル・エンデのモモを読む日々を過ごすことになります。

 

注)今は随時 レンジャー募集をしています!

 

 

それって実際どうなの?レンジャーMTG初参加

 

募集説明会を経て、レンジャーミーティング初めての参加。

 

当時 momo理事 兼 レンジャーであった そうちゃん、今では一緒に活動することも多くなった先輩レンジャーの ひらっち、同期レンジャーの こにたん の4人で、ナディアパークにある名古屋市市民活動推進センターへ向かいました。

 

主な議題は、一般社団法人Foraの融資完済パーティーの企画とレンジャーが前回発信をしたmomo通信の振り返り。

 

「Fora…学生向けのキャリア教育を事業化しているんだ…完済パーティーはレンジャーが企画から運営まで行うのか…大変そうだけど面白いな」

 

「momo通信 読んだ読んだ…たつや と ひらっちの記事が印象に残ってるな…この まなみんって人の記事は想いが強い分長いんだよな」

 

注)心の声です…そして私の記事も長い

 

みんなで意見を出して完済パーティーの企画をブラッシュアップ、momo通信は次回より良い情報発信をするため good bad nextを言っていきます。

 

私の職場では 普段こういったやりとりがほとんどないので、とても新鮮に感じたのを覚えています。

 

私はこの日を境に、きっかけや想いはそれぞれだけど、同じ志を持つ仲間たちと、地域のため 地域事業者のために活動していくことになります。

 

 

(この日の一枚…ここからあっという間の一年半)

 

 

『最後に』

 

私は、昨年6月にmomo融資先となった就労体験カフェ Cafeスマイルの伴走支援を中心にボランティア活動を行ってきました。

 

年明けからの感染症拡大によってmomoの融資先はとても厳しい環境にさらされ、momoの活動も大きく制限されました。

 

この一年半、私の活動がどこまでCafeスマイルの役に立ったのか、どこまで地域に貢献できたかは分かりません。

 

ただ、こういった厳しい状況だからこそ、一人ひとりの行動や想いが 地域、社会の未来を明るくしていくと、私は信じています。

 

「momoはライフスタイルの一部だから」

 

10年以上活動しているレンジャーが、

ふとした時に言った一言です。

 

きっかけは何だっていい

想いの大きい小さいは関係ない

意識が高いわけでもない

ボランティアやプロボノは生活の一部

 

みなさんのご参加をお待ちしております。

 

(momoレンジャー あーちゃん)