2019.02.28
ある日、失恋した私に友達が本をすすめてくれた。エーリッヒ・フロムという哲学者の「愛するということ」だ。それからというもの失恋するたびにページをめくる。この本は愛について語っているが、愛という現象について理論的に捉えた学術書で、巷に多く出回っているようないわゆる恋愛マニュアルではない。一行目にはこう書かれている。
—愛は技術だろうか。技術だとしたら、知識と努力が必要だ。—
作者は愛は感情ではなく、技術だという。技術だから習得ができるんだよ。愛を諦めちゃいけないよって優しく伝えてくれる。今回は私が特にハッとさせられたり、ここ好きだなというおすすめ箇所を3つ要約してお伝えしたいと思います。
①人間の秘密を知るための唯一の方法は愛
—生命は、純粋に生物学的な側面においては一つの奇跡であり秘密であるが、人間は自分にとっても他人にとっても一つのはかりがたい秘密である。—とし、その秘密を解きたがるのが人間だとした上で、—愛とは、能動的に相手のなかへと入ってゆくことであり、その融合において、私はあなたを知り、私自身を知り、すべての人間を知る。命あるものを知るための唯一の方法、結合の体験によって知るのであって、考えて知るわけではない。— 理科の実験のように相手を物理的にバラバラにし、科学的に研究を重ねてもそれだけでは人間という現象の秘密を知ることはできない。—愛こそが他の存在を知る唯一の方法である。結合の行為のなかで、知りたいという欲求は満たされる。愛の行為において、つまり自分自身を与え、相手のうちへと入ってゆく行為において、私は自分自信を、相手と自分の双方を人間を、発見する。—
② 愛するか愛せないかは相手次第じゃない
—愛とは、特定の人間にたいする関係ではない。愛の一つの対象にたいしてではなく、世界全体にたいして人がどう関わるかを決定する態度、性格の方向性のことである。ところが、ほとんどの人は愛を成り立たせるのは対象であって能力ではないと思いこんでいる。それどころか、誰もが愛する人以外は誰も愛さないことが愛のつよさの証拠だとさえ信じている。愛が活動であり魂の力であることを理解していないために、正しい対象を見つけさえすれば、後はひとりでにうまくゆくと信じているのだー
③人も自分も退屈させない
—じつは、退屈したり退屈させたりしないことは、人を愛するための大きな条件の一つなのである。思考においても感情においても能動的になり、一日じゅう目と耳を駆使すること、そして、なんでも受け取ってはためこむとか、たんに時間を浪費するといった、内的な怠慢を避ること。愛情面では生産的だが、他のすべての面では非生産的だ、といったふうに生活を分割できると思ったら大間違いだ。生産性はそのような分業を許さない。人を愛するためには、精神を集中し、意識を覚醒させ、生命力を高めなければならない。そして、そのためには、生活の他の多くの面でも生産的かつ能動的でなければならない。愛以外の面で生産的でなかったら、愛においても生産的にはなれない。—
皆さんはこれを読んでどう思うだろうか。どうやら愛は感情や思考でなく、体験や行為や世界にたいする態度であるらしい。能動的で生産的な、はたらきであるらしい。ラブストーリーのような甘ずっぱいものとは一線を画す、タフで習得には時間のかかる体験なのだ。これからもしごとしたり、遊んだり、生活したり、ボランティアしたりしながら能動的で生産的な、はたらきを通して愛の技術を磨いていきたいなと思う。 参照:エーリッヒ・フロム 愛するということ 鈴木晶訳
(momoレンジャー・まなみん) |
2019.02.28
こんにちは、momoレンジャーのきょんきょんです!
この度私は、一般法人Fora東海支社Nexus(以下Nexus)の取材に伺ってきました!
Nexusは、高校生が自らの意思で進路決定ができることを目指し、
「仮決め」をコンセプトにしたワークショップ形式の授業を実施している団体です。
そして今回取材に応じてくれたのは、Nexusの事務局長である神谷総一郎さんです!
神谷さんはコミュニティ・ユース・バンクmomoにも所属しており、Nexusとはmomoの融資先として関わることがあり、知ったそうです。そして、Nexusで活動している人たちの活動や想いに触れ、Nexusの一員となったそうです。(そして今ではmomoの理事、Nexusの事務局長という凄いお方です、、、! )
ーでは、神谷さんが触発されたNexusのメンバーとはどんな人たちですか?
*以下神谷さん→(カ)の表記
(カ):授業を行うにも準備段階から全力で取り組み、授業が終わった後でもそこで終わりにするのではなく、次につなげていこうとする姿勢が見られて尊敬します。
Nexusのメンバーは教員志望の学生や、進路選択で失敗したという苦い経験から後輩に伝えたいという学生など、それぞれ想いを持った大学生が集まります。
ー 教える側のそれぞれの想いが、質の高い授業ができる原動力となるんですね!
神谷さんも自分自身の苦手箇所があってこそ、後輩たちの力になろうとしたきっかけになったと想いを語ってくれました!
(カ):Nexusの授業は教育関係の大学生以外にも、文系から理系まで全学部の大学生が教えの担い手として集まっています。これは大学生が運営しているNexusの強みであり、高校生の興味がある学部の現役の大学生から話を聞くことにより、イメージがつきやすいといったメリットでもあります。
ー担任の先生だけでは生徒一人一人の、学部学科の知識を十分に伝えるのは難しいですしね、、、Nexusは先生たちのサポートとしての役割も担っているのですね。
ーしかし、授業の一環として行うとなると高校生は受け身になってしまわないのですか?
私自身高校生の時に進路を決める際、授業の一環で先生や講師から進路について話を聞いた記憶はあるのですが、いまいち頭に入ってこなかった経験があるので(苦笑)
どうやって高校生の主体性を引き出す授業を行っているのか、、、Nexusの取材にあたりこのことが一番聞きたかった事でした。
(カ):Nexusの授業ではアクティブラーニングを取り入れた授業をとっているため、
授業の初めから終わりまで黙って座っているということはありません。ワークショップ形式の授業では、実際に大学で学んでいる内容を扱った問題を体を動かしながら取り組みます。(下の写真はワークショップでの様子です)自ら体を動かし、考えることでその後の大学生による授業の話が頭に入り、定着しやすくなります。
ーなるほど!このことがNexusの理念である、「なんとなくからの脱却」なんですね!
一方的に話を聞くだけだと、なんとなくわかっている気になってしまう。そうして進路決定の際もなんとなくで選んでしまいがちな現状があります。
このことからNexusの授業では脱却し、与えられた知識を自身の考えに結びつかせるような授業形態をとっているということが分かりました。
Nexusではこのなんとなくからの脱却を前段階として、ゆくゆくは主体的な意思決定ができる段階になることを目的としているそうです。
〇Nexusの取材を終えて考えること
近年日本では大学の進学率も上がり、大学へ行くことがごく少数だった時代に比べると将来への選択肢もぐんと広がったと思います。しかし、進路決定の際に自分が何をしたいのかわからない、進学したはいいが思ったものと違ったと途中で大学を中退する子も少なくありません。この原因に、今の子どもたちには自分と向き合う時間が足りていないということが挙げられるのではないのでしょうか。
今回の取材を通して、Nexusはまさにこうした現状に光をともした活動をしているのだと感じました。そして、Nexusの活動は「人生に問いを」を理念としているように、私たちにも大切なことを気づかせてくれます。
Nexusの活動がもっと多くの人に広まって、問いのある人生を歩める人が増えることを願います。
↑ワークショップでの写真。高校生に溶け込んで授業をしています。
(momoレンジャー・きょんきょん)
2019.02.28
はじめまして。新人momoレンジャーのたつやです。
1月6日(日)に開催された融資先募集の面談にオブザーバーとして参加しました。
今回参加したのは、融資先募集スケジュールのうちの「二次(面談)審査」です。
・一次(書類)審査
・二次(面談)審査
・訪問調査
・最終(理事会)審査
参加者は、momoの理事、顧問と私を含めたmomoレンジャー数名でした。
ホワイトボードに書かれているのが当日のスケジュールです。
『事前共有』、『面談』、『ネガポジ』を行い、審査を進めます。
~~~事前共有~~~
融資希望者に準備していただいた資料(事業内容、資金使途、財務諸表 など)をもとに面談で質問すべきことなどを面談前に洗い出します。
私は、話についていけるよう、その場で手渡された資料を必死に目を通していました。。。
~~~ 面談 ~~~
担当する理事が進行役を務め、融資希望者の方から、
事業の内容、融資を希望するに至った理由などを伺います。
その後、理事や顧問の方々からの質問です。
『就労継続支援B型にはされる予定はありますか。』
『この未払金は、○○の費用ですか。』
『資金使途は運転資金ですか。』
などなど。
私は、資料とにらめっこしながら、聞いていました。
~~~ネガポジ~~~
ネガティブ・ポジティブの略です。
面談を通じて感じた『ネガティブ要素』と『ポジティブ要素』を付箋に記入して、参加者の前で発表します。
ここは、私を含めオブザーバーのmomoレンジャーも参加させていただきました。
ただ、審査のポイントの観点からネガポジをやれればと後で反省。
審査のポイント
地域性、市民性、独自性、継続性、成長性、発展性、浸透性
最後に顧問の方から、訪問審査に伺がう際に、何を見てくるべきかという言葉をいただきました。
これから訪問審査を行い、さらに審査を進めていくそうです。
~~~融資審査に参加して~~~
融資審査には、参加してみかったですが、こんなに早く参加できるとは、思ってもみなかったです。
参加してみて、融資審査は、審査を通じて、momoと共に歩んでいけるか確認する場なのかと感じました。
まだ新人ですが、momoレンジャーとして融資先と伴走し、社会を良くできるか楽しみです。
(momoレンジャー・たつや)
2019.02.28
momoレンジャーのよっしーです。今回の記事では、岐阜県白川町で有機農業に取り組まれている、第63回融資先の五段農園について紹介したいと思います。
五段農園の運営をされているのは高谷さん。元々神奈川県で会社員をやられていたそうですが、ご家族と一緒に岐阜県に移住し、人工的なものを使用しない堆肥作りとその堆肥を使った農業に取り組まれています。
▲藁の上で一休みする高谷さん
就農のきっかけや移住への決断については過去のmomo通信でも取り上げているので、ぜひ以下URLからご覧ください。
五段農園 過去momo通信
土に触れ、植物を育てる。そういった農業への活動に障がい者や高齢者が取り組むことで社会課題を解決していこうという動きがあります。
それが「農福連携」。
障がい者や高齢者が農業分野での活躍を通じて社会と繋がり、自信や生きがいを創出する取り組みのことであり、担い手の高齢化と減少により働き手が不足している「農業分野」と障がい者や高齢者の働く場の確保を求める「福祉分野」両方の分野においてメリットがある活動として近年注目されています。
そんな農福連携を五段農園でも新たな取り組みとして、推進しています。
きっかけは福祉施設の方との会話から。「施設利用者が元気になって出て行ってもらいたい」という考えに高谷さんが感銘を受け、「何かあれば協力しますよ」と話をしていたところ、数か月後に業務委託という形で農福連携への取り組みが始まりました。
扱う品目は大豆、サツマイモ、いちご、ブルーベリーの4品目。大豆は味噌へ、サツマイモは干し芋へといった加工食品化を視野に入れ、いちご、ブルーベリーは岐阜県内で使ってくれそうなレストランと話がついているそうです。
▲実際に高齢者の方が農業に取り組んでいる様子
五段農園facebookより https://ja-jp.facebook.com/5danfarm/
農福連携は体が不自由な方に対して、どういう関わり方を提供できるのかというのが難しいところの1つ。その中で「全員が何らかの形で関われるような仕組みにしたい」とおっしゃられる高谷さん。実際、施設利用者の中には車イスの方もいらっしゃるのですが、例えば豆の選別作業は部屋の中でも座って行うことができる。他にも葉に病気が出ていないかを目視で確認してもらうなど、身体的負担が少ないところで活躍してもらうことも考えています。
またこの取り組みは福祉施設との関係のみに終わらず、地域の人々をも巻き込もうと考えているそうです。
農場を開放することで近隣住民で家庭菜園に興味がある人や保育園・小学校の子どもたちにも来てもらい、福祉施設の方と交流できる場を創る、そうすることによって老人ホーム等の福祉施設を地域住民にもっと身近に感じてもらい、福祉施設に対する垣根を取り払っていくことを目指しています。
有機農業を通して、安心安全でおいしい野菜や果物を提供するだけでなく、農業という取り組みを通して、地域住民を巻き込み、地域に良い循環を作り出す。理想の形を達成するにはまだまだ解決しないといけない課題もあるかと思いますが、農業から地域課題の解決を試みる、今後の参考になる 良いケースになっていくのではないかと思いました。
五段農園ではさまざまなイベントを企画しており、サイトやfacebookで告知・募集を行っています。詳細は以下をご覧ください。
・3/10(日) : 失敗しない踏み込み温床作り ~パンの香りに誘われて~
https://www.facebook.com/events/2283904198524002/
・4月ごろ予定 : 生ゴミ堆肥化ワークショップ
今後、告知予定
(momoレンジャー・よっしー/みずぽん)
2019.02.28
こんにちはmomoレンジャーのくま&もえもえです。
2014年から2015年の間に5回の”つなぎ融資”を行った「中部ESD拠点協議会」の近況をお伝えします!
このレポートを読んでいただいた方は「SDGs(Sustainable Development Goals)~持続可能な開発目標」について少なからず関心のある方が多いのではないでしょうか。
2015年に新たに「2030年に向けた地球のマスタープラン」として大きく17の開発目標を掲げ採択され、近年では発展途上国や先進国の政府や企業、団体など地球に存在するすべての人が対象となり各地で開発目標を達成するための活動やプロジェクトが展開されています。
この表を見たことがある人も多いのでは!ー画像出典:国連開発計計画(UNDP)ー
”地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)”をスローガンに掲げたSDGsのスタートを受けて始まったのが、これからレポートする中部ESD拠点協議会が運営するプログラムのひとつ「中部サステナ政策塾」です。
まずは「中部ESD拠点協議会」の紹介から。
■中部ESD拠点協議会
国連大学が公式に認定している世界166カ所のESD地域拠点のひとつです。
活動対象地域をおもに、愛知県・岐阜県・三重県をまたがる伊勢・三河湾流域として、持続可能な社会づくりのための教育や学びを推進しています。
東海地方の大学・行政・企業・NPOなどが連携し、2007年に組織し、運営委員会を中心に活動の企画・運営を行っています。
ほかにも行政機関、企業、NPOなどが加盟し、2018年3月時点では77団体が加盟しています。
http://chubu-esd.net
■「中部サステナ政策塾」の取材報告
20~30代までの若者を塾生として集め、持続可能な開発のための教育(ESD)を通じて、持続可能性に関する政策や事例を学んでいます。座学やフィールドワークを通して地域の発展に寄与する政策や企画を立案・推進する「広義のポリシーメーカー」を育成する活動です。
この政策塾から地域の持続可能な発展・実現性を高めていくと同時に、国連「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に寄与できる人材を各業界に輩出する事を目的としています。
2019年2月2日に開催された「SDGsフォーラム」の中で成果発表が行われた様子をお伝えします。
フォーラムには160名を超える傍聴者が参加し、ユネスコ第8代事務局長でもあり、中部サステナ政策塾の特別顧問も務めている 松浦晃一郎氏や環境省のESD担当者などがゲストトーカーとしても参加しており、関心の高さを伺い知ることができました。
今年度は大学生、サラリーマン、企業、銀行員、教員、農家など多様な塾生が約半年間で全10回の講義を経て今回の成果発表会に臨みました。
第1~9回にかけてはさまざまな角度からサスティナブルな活動をしているゲストから活動事例を学び、県内・県外のフィールド゙ワーク、またはフィリピンで行われた国際会議への参加といった活動を通して、塾生の今身近にある課題や社会問題を中心にブラッシュアップさせていきました。
<第8回講座「まちづくりとサスティナビリティ」をテーマにした講義のゲストトークのひとコマ>
「伊勢・三河湾流域圏版のSDGsをつくろう」を今回のスローガンに8分間のプレゼン時間が与えられ、分科会というかたちで17の開発目標にテーマを分けて各フロアを使って発表が行われました。
42名の塾生・ゲストの発表をすべて公聴することはできませんでしたが、個人的に気になったテーマをいくつか傍聴させていただきました。
参加者層やSDGsの開発目標からも通して感じたことは、これからの社会課題を解決・改善していくのは、この地球に生きる個々の意識が大切になってくるということです。
例えば、開発目標の5番「ジェンダー平等を実現しよう」はLGBTの普及活動やメディアに出るLGBTの登場などで後押しされている目標ですが、個々の考え方次第で実現できる目標にも十分なり得るのではないかと私は感じています。
もちろん、企業や団体が動くことで改善されそうな項目も見受けられますが、すべての目標は元をたどれば個々の意識の変化から生まれるものです。
momoレンジャーも、何かできることはないか、自分にできることは小さなことでも行動に移す。そんなことを意識しているメンバーが多いように個人的には感じています。
その意識や活動が波及し、また新たな風を吹き込む。
そんな連鎖が起き続けることを「中部サステナ政策塾」から感じることができました。
2019年4月からは、SDGsのネットワークづくりを強化させていく予定でいるそうです。
個人的にもこれからの動向にも注視していきたいと思います!
交流会では塾生含めて80名ほどが参加。互いの活動について意見交換が活発に行われました。
会場に収まりきらず廊下まで埋め尽くして、熱く語り合う参加者の姿が見られました。
昨年の2倍以上の人数らしく、年々注目度が高まっている様子が改めて伺えました。
また、中部サステナ政策塾は次年度以降、東海三県におけるSDGsネットワークを発展させるべく、幅広く人材を集める事を検討しているそうです。
更なる発展にご注目ください。
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取材した感想
中部ESD拠点協議会の幹事機関兼事務局である中部大学は私(くま)の母校です。
学生時代に大学内のESD推進プロジェクトに関わっていました。
当時はただの大学のプログラムだと思っていましたが、中部ESD拠点協議会から学びの機会をもらっていたのだと、取材して初めて知りました。
さらには、私が在学していたのは中部ESD拠点協議会がmomoから融資を受けていた時期に該当するのです。
なんて御縁があるんだろうと驚きでした。
SDGsは社会的関心が高まっており、新聞やテレビなどでもよく耳にする言葉になりました。
気になるかたは、塾生になってみてはどうでしょうか。
(momoレンジャー:くま)