2018.02.28
こんにちは!momoレンジャーのはるこです!
2017年11月12日、株式会社スピリット(以下、「スピリット」)の完済イベントを行いました!
スピリットは、高山市で堆肥製造や畜産の総合コンサルテーションに取り組む、momoの46件目の融資先です。
「momo×moriwaku café 畜産たくさんトーク ~森と野菜と人の「ワクワクする関係」を考える~」と題して行った、このイベント。林業、畜産、農業の若手フロントランナーが集まり、森と野菜と人のまだ見ぬ関係にワクワクする時間になりました。
■林業・畜産・農業はワクワクがいっぱい!!
突然ですが、みなさんは、「畜産」や「農業」、「林業」と聞いてどんなイメージを思い浮かべるでしょうか?
今回イベントは、私たちのイメージを覆す事業を行う3社をゲストに迎え行いました。
まずは、momoの融資先でもあるスピリット。その事業は「畜産」から始まり、どんどん広がっています。
畜産の中でも、主に牛の環境改善コンサルタントを行っています。その畜産の糞を利用した堆肥「みな土」づくりを行い、その販売も行います。この堆肥を使えば、家庭でも簡単に野菜作りができるんだとか。
そして、「みな土」を使った野菜の栽培と販売、野菜を使用した飲食サービスの展開も始まっています。
はじまりは畜産ですが、農業、そして、飲食とつながっていて、スピリットの事業はまだまだ広がっていくように感じました。
▲スピリットの藤原さん。農業だけでなく、ミュージシャンととしての顔も持つ魅力いっぱいの方です。
スピリットとコラボしたのは、林業・農業の分野で第一線を走る2社。
1社目は、飛騨五木株式会社(以下、「飛騨五木」)。「2035年には木が当たり前に身近にある社会に」というビジョンを掲げ、林業をもっと身近に感じられるような取り組みを行っています。
例えば、「衣食住学遊」の場面で利用できる商品の開発やサービスを行ったり、日本の森林業がもっとワクワクするようなポータルサイト「日本の森がもっとワクワク」を立ち上げたり。
今回会場となったmoriwaku caféの運営もビジョン実現のための事業の一つ。店内にはなんと日本全国47都道府県の木材が使われているんです!!木の香り漂う癒しの空間は、木を身近に感じさせてくれます。
今後も、日本の森がもっとワクワクするような事業を行っていく予定だそうです。
▲飛騨五木の井上さん。林業のこれからは可能性に溢れています。
2社目は、マイファーム株式会社(以下、「マイファーム」)。「自産自消のできる社会」を目指して、農作物の生産・流通・販売まで行っています。
そのほかにも、体験農園や農業大学校の運営をはじめ、農業コンサルティングや農業分野のCSR活動に参入する企業の支援など、「農業が楽しい」を広める活動も行われています!
▲マイファームの久納さん。この表情からも農業の楽しさが伝わります。
3社の事業紹介を聞いた参加者の方に感想を伺うと…?「農業のイメージが180度変わりました…」と驚きを隠しきれない様子。
■農業・林業のこれからは…?
続いて行ったのは、トークセッション&フロアディスカッション。
違う分野で活躍する3名にそれぞれの立場からこれからについて語ったり、参加者の質問に答えてもらったりしました。
「牛を育てる」「木を切る」「野菜を育てる」
農業や林業と聞くとそんな言葉しか浮かんでこなかった私は3社の語る「未来」にワクワクしっぱなしでした。
家庭でできるように、「みな土」の販売を行うスピリット。
林業についてきちんと学ぶことができるように、林業の大学を作ろうと試みる飛騨五木。
減少していく農家がやめないように、新しく農業に取り組み始める人が続けてくれるように、コンサルティングを行うマイファーム。
3社ともにあった「つなげていく」ための取り組み。
生きていくうえで必要不可欠な「食べる」「暮らす」に関わる分野だからこそ、きちんと残していくことが大事になるんですね。
「これから」の話にゲストの3人もワクワクが止まりません。
■「ひだごぼくのうた」でフィナーレ♪
そろそろ会もお開き…
と思ったら、おもむろにギターを取り出したスピリットの藤原さん。
「最後に一曲…」
と自作の「ひだごぼくのうた」を披露してくださいました。
独特のリズムと頭に残る歌詞が印象的なこの歌。
帰り道に口ずさんでしまうほど、耳に残るすてきな歌でした♪
「畜産」「林業」「農業」にとってもワクワクした1日。
木や野菜が今よりも身近にある社会は、もうすぐそこまで来ているのかもしれません。そして、それを作っていくのは、3社だけでなく、私たちだと思います。
春が来たら、「みな土」を使って野菜を作ってみようかなと思う、はるこでした。
2017.05.31
2017年5月初旬の小雨が降る中、今月末で完済を迎える株式会社スピリットを訪問しました。スピリットの拠点は高山市の中心街から車で数分の場所に位置し、森林に囲まれた自然豊かな環境の中で堆肥製造や農園の運営などをされています。
今回の訪問では、スピリットの代表である藤原孝史さん、藤原孝史さんのご子息であり事業をお手伝いしている藤原郁馬さん、農園担当スタッフの増田さんに出迎えていただき、現状や今後の展望などさまざまなお話を伺うことができました。
前回のレポートでも紹介していました、スピリットが生産する「臭いのしない堆肥」。この堆肥を生み出す秘密は牛のエサの中に特別な材料を加えることにより実現するとのことです。普段私たちも聞き覚えのあるモノ・・・それは生き物の腸の働きをよくする「乳酸菌」です! その特別な乳酸菌の働きにより、牛の腸内環境が改善されることで、臭いがなく豊富な栄養分を含む堆肥の生産に結びついています。この乳酸菌はスピリットが提携する牧場に提供されていて、飼育する牛が健康的になったと牧場の経営者のみなさんから高い評価を受けているようです。堆肥を作り出す過程で、お互いにとってのメリットとなっているなんてとても驚きです。
今後も堆肥の品質の向上を目指すと語る、代表の藤原さん。同時に、藤原さんが目指す循環型社会に向けての具体的な取り組みについて、ジオラマを用いて教えていただきました。
現在、スピリットでは堆肥とともに、野菜の生産も行っています。今後は野菜の「少量多品目」による生産を目指すことや、堆肥、野菜に加えて飛騨地鶏や豚の飼育も手掛ける予定もあり、将来的にはすべての食材を自産自消でまかなうレストラン経営を目指しているとのことです。加えて、この地域は森林も豊富で林業に適していることから、林業としての活性化を図る事業の展開も進行中です。その主な方法は、割り箸の生産・販売を手掛けることで、地域産の割り箸を地域に広めること。なお、この割り箸の生産過程で生じる「おが粉」は堆肥の生産においても利用できるため、無駄が生じず、まさに循環型社会の実現に近づくための活動になると思います。
代表の藤原さんは、これらの実現のために欠かせないのは「生産者と消費者がつながりを持つこと」、そのきっかけを作ることが大切だと言います。実際、その取り組みとしてスピリットが生産する堆肥を用いて、東京のビルの屋上で野菜を育てるといった活動にも携わっており、普段農業に関わる機会のない人に体験できるきっかけを提供しているとのことです。
また、農園担当スタッフの増田さんも、農場外でのユニークな取り組みを行っています。今年2月、増田さんは1か月間東京に滞在し、企業や個人のお宅などさまざまな場所を訪問して、自身が農業を通じて得た経験や知識を活かして野菜の面白さを伝える活動をしていたとのこと。普段から野菜と接している増田さんだからこそ知る、その興味深い内容に多くの人が耳を傾けたようです。
「野菜以外の価値を作りたい」との思いで始められた増田さんの活動。「野菜作りを指導する人はいても野菜の魅力・面白さについて語ることのできる人は少ないと思います。それを伝えていくことに今後大きな需要があるのではないでしょうか。」と語る増田さんの今後の取り組みに注目です!
そんな増田さんが立ち上げたブログ「ヤサイくんブログ」にて、東京での生活を知ることができます。また、「みな土農場」のブログにおいても過去の増田さんがまとめた面白い記事を読むことができるので、詳しく知りたい方はぜひのぞいてみてください!
訪問のなかで、代表の藤原さんは「人が野菜を育てるのではなく、野菜は自身で育つ潜在能力があり、それを発揮できる環境を人が整え、手伝うことが必要です」と話していました。その思いが込められた言葉から、藤原さんの農業に対する信念を改めて知ることができたとともに、自然環境主体の、まさに循環型社会を目指す藤原さんの原点になっているのだと感じました。
まだまだ語りつくせないほど長時間さまざまなお話を伺うことができ、とても有意義な時間を過ごすことができました。また、スピリットの完済イベントも現在計画中ですので、ぜひとも楽しみにしていてください!(こんこん)
2016.11.30
10月末の晴れた日に株式会社スピリットさんを訪問し、農園担当スタッフの増田さんにお話を伺いました。少し前まで牛舎だった建物が、堆肥製造施設に少しずつ生まれ変わってきています。(前回のリポートもご覧ください)
スピリットさんの製造する、「まったく堆肥の匂いのしない堆肥」。鼻にくっつけても匂いがせず、おいしい野菜が作れると全国で評判です。品薄状態とのことでしたが、今回少しだけ購入させていただくことができました。(名古屋で実際に体験してみたい人がいらっしゃれば、momo事務所までお問い合わせください。)
今後は液肥の製造も開始していく予定。設計図はなんと、代表の藤原さんが中学生の時に思いついたものと、ほとんど同じとのこと。大阪万博の頃に循環型社会を描いていた、その先見の明に驚かされます。
実際に生産した堆肥を使っている畑も見学させていただきました。ここはスピリットさんの堆肥の成果を見える化する、いわば「ショーケース」。もうすぐ冬も近い時期でしたが、温室に入って最初に目にしたのは、なんと…
なんと、トウモロコシでした。「夜は冷えるけど、日中はまだ暖かいです。栽培できそうだなと思って、やってみました。」と増田さん。その他にも、ゴマや綿花、小麦、ハーブ類、葉野菜やトマトなど、さまざまな野菜を育てていました。学生の頃に農業を勉強されてていたわけではなく、今も独学で農業に取り組んでいます。
「化学肥料や農薬を使わない農業をやっていると、植物の生態や畑にいる生き物の種類など、学ぶことがたくさんあります。うまく植物が育たなくても、観察して調べればその理由が絶対にわかるので、面白いなと思いますね。畑を観察していると、どんな生き物がどうやって餌を採ったり、生きているかがわかるんです。この前もスズメバチが出たけど、よく見ると畑の芋虫を捕まえて持って帰っていたので、農業にとっては益虫なんだなとわかりました。そうだ、カメムシには草食と肉食の2種類いるって知ってましたか?」(し、知りませんでした…!)
農場を通じて自然と対話し、理解しようとする増田さんの姿勢は、これからの農業のあり方を考える上でとても大切だと思いました。また、自然と共生した形で農業を担う人たちを応援するスピリットさんの堆肥も、今後ますます必要とされるはずです。2017年5月には完済を迎える予定のスピリットさんと、これからどんなことが一緒にできるか、ワクワクしながら今年の冬を過ごそうと思います。(たつや)
2016.08.31
高山・丹生川で完熟堆肥(下記写真)を作っている株式会社スピリットさん。循環型社会を実現する堆肥事業は各方面から高い評価を受けており、今年の4月には飛騨・高山さるぼぼ結ファンド投資事業有限責任組合からの3億2,600万円の融資(リンク)が決定しました。飛騨牛の牛舎を堆肥製造用のプラントやストックヤードに改修する作業を控え、代表の藤原さんは現在も大忙しです。
農業部門の優秀なスタッフさんがご家庭の事情で退職されてしまい、「縁のある人をお待ちしています」とのこと。単に農業やパーマカルチャーに興味があるというだけでなく、深い「生命観」と科学的な考え方をもち、「いまの有機農業の1歩先をいきたい」と考えていらっしゃる方には、おすすめの環境です。募集ページはこちら!(たつや)
※藤原さんの「生命観」は、こちらのロングインタビューで紹介されています。
https://sharethelove.jp/pioneers/takashi-fujiwara/