街の未来を考えよう、発展途上国の子どもに教育を届けよう、選挙に行こう、多様性を大事にしよう、災害に備えようー。
こう社会に呼びかける人がmomoの周りにはたくさんいて、私もその1人だ。
しかしその中の多くの人が、特に私のように学生時代から活動してきた人は、何度もきっと揶揄されている。意識高いね、と。
別に、意識が高いと言われることが嫌だと言いたいわけでも、言った人を非難したいわけでもない。
ただずっと、このままじゃいけない、と思っていた。
理由はシンプル。まちを作るのは「意識高い系」だけではないから、だ。
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2019年3月30日。
私は地元のメンバーと一緒に「恵那峡レイクサイドマルシェ」という、野外マルシェを開催しました。
最初は100人200人呼べれば…と言っていたイベントのはずなのに、蓋を開けてみれば来場者数は1500人以上。
私の知り合いも、何人も来てくれました。
まちづくり活動で出会った人、移住した人、仕事で会った人、NPO活動の先輩、小学生の時の塾の先生、中学生の時の社会の先生…。
みんな私の日頃の活動を気にかけてくれて、見守ってくれて、応援してくれて、期待してくれる、そんな温かくて頼もしい先輩たちです。
そんな人たちが来てくれてとっても嬉しかった、と今でも強く思います。
それでも。
嬉しさに順位をつけるような言い方になってしまうのは心苦しいけれど、22歳の私が胸が踊るように嬉しかったのは、高校の後輩や、中学校の同級生が来てくれたことでした。
伝統文化を守りたいとか、里山を守りたいとか、まちを持続したいとか、地元事業者を盛り上げたい、とか。
まちを大切に思うかっこいい大人たちが私は大好きで、大切で、何回でも会いたいと思います。
でもどこに行っても、いつも私が一番年下でした。まちの未来を考えるような意識高い同世代なんて、ほとんどいないのが現実です。
だからと言って、それを当然の現実として受け止めていても、まちは面白くなりません。
ただマルシェを楽しむ、というのはとても些細なアクションかもしれないけれど、地域らしさに触れることの少ない私たちの世代にとっては、大きな可能性を持ったアクションだと思います。
最初から意識高い呼びかけにピンとこなくても、ただ楽しいとか、面白いとか、そんな感情の動きが、これからのまちの担い手を生み出すかもしれません。
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高校の後輩も、中学校の同級生も。
まちの未来には興味がないかもしれないし、選挙に行かないかもしれない。
でも10年後には、地元の未来が気になるかもしれないし、選挙に行きたくなるかもしれない。
意識高い輪が広がらなくても、このまちはもっと素敵になれる。
そのスタートがこのマルシェだったと、10年後に振り返れますように。