momoレンジャーのよっしーです。今回の記事では、岐阜県白川町で有機農業に取り組まれている、第63回融資先の五段農園について紹介したいと思います。
五段農園の運営をされているのは高谷さん。元々神奈川県で会社員をやられていたそうですが、ご家族と一緒に岐阜県に移住し、人工的なものを使用しない堆肥作りとその堆肥を使った農業に取り組まれています。
▲藁の上で一休みする高谷さん
就農のきっかけや移住への決断については過去のmomo通信でも取り上げているので、ぜひ以下URLからご覧ください。
五段農園 過去momo通信
土に触れ、植物を育てる。そういった農業への活動に障がい者や高齢者が取り組むことで社会課題を解決していこうという動きがあります。
それが「農福連携」。
障がい者や高齢者が農業分野での活躍を通じて社会と繋がり、自信や生きがいを創出する取り組みのことであり、担い手の高齢化と減少により働き手が不足している「農業分野」と障がい者や高齢者の働く場の確保を求める「福祉分野」両方の分野においてメリットがある活動として近年注目されています。
そんな農福連携を五段農園でも新たな取り組みとして、推進しています。
きっかけは福祉施設の方との会話から。「施設利用者が元気になって出て行ってもらいたい」という考えに高谷さんが感銘を受け、「何かあれば協力しますよ」と話をしていたところ、数か月後に業務委託という形で農福連携への取り組みが始まりました。
扱う品目は大豆、サツマイモ、いちご、ブルーベリーの4品目。大豆は味噌へ、サツマイモは干し芋へといった加工食品化を視野に入れ、いちご、ブルーベリーは岐阜県内で使ってくれそうなレストランと話がついているそうです。
▲実際に高齢者の方が農業に取り組んでいる様子
五段農園facebookより https://ja-jp.facebook.com/5danfarm/
農福連携は体が不自由な方に対して、どういう関わり方を提供できるのかというのが難しいところの1つ。その中で「全員が何らかの形で関われるような仕組みにしたい」とおっしゃられる高谷さん。実際、施設利用者の中には車イスの方もいらっしゃるのですが、例えば豆の選別作業は部屋の中でも座って行うことができる。他にも葉に病気が出ていないかを目視で確認してもらうなど、身体的負担が少ないところで活躍してもらうことも考えています。
またこの取り組みは福祉施設との関係のみに終わらず、地域の人々をも巻き込もうと考えているそうです。
農場を開放することで近隣住民で家庭菜園に興味がある人や保育園・小学校の子どもたちにも来てもらい、福祉施設の方と交流できる場を創る、そうすることによって老人ホーム等の福祉施設を地域住民にもっと身近に感じてもらい、福祉施設に対する垣根を取り払っていくことを目指しています。
有機農業を通して、安心安全でおいしい野菜や果物を提供するだけでなく、農業という取り組みを通して、地域住民を巻き込み、地域に良い循環を作り出す。理想の形を達成するにはまだまだ解決しないといけない課題もあるかと思いますが、農業から地域課題の解決を試みる、今後の参考になる 良いケースになっていくのではないかと思いました。
五段農園ではさまざまなイベントを企画しており、サイトやfacebookで告知・募集を行っています。詳細は以下をご覧ください。
・3/10(日) : 失敗しない踏み込み温床作り ~パンの香りに誘われて~
https://www.facebook.com/events/2283904198524002/
・4月ごろ予定 : 生ゴミ堆肥化ワークショップ
今後、告知予定
(momoレンジャー・よっしー/みずぽん)