momoが61件目の融資先に決定したのは、岐阜県は各務原に拠点を構える「結の舟(ゆいのふね)」。事業内容は若手川漁師による地域に開かれた実店舗の運営です。代表は、33歳の平工顕太郎(ひらく・けんたろう)さん。長良川の伝統漁法を継承する、唯一の若手川漁師です。現役世代で65歳以下はたった一人の担い手である彼が、なんとかして川文化の継承をしていかなければと奮起し、事業を起こしました。
<清流・長良川で、いま起こっていること>
平工さんが日々、漁をしている長良川をはじめとした岐阜県の清流は、古くから伝わる地域に固有の豊かな川文化と、多くの伝統工芸を育んできました。岐阜県の地域資源はまさに”清流”が支えている、とも言えます。2015年12月には「清流長良川の鮎」が世界農業遺産に認定され、流域の住民の機運もますます高まっています。
しかしその一方で、長良川で漁業によって生計を立てられる現役世代の漁師は皆無、という厳しい状況。さらに伝統漁業になくてはならない「漁船」と「漁網」を生み出す舟大工と製網所は、流域にわずか一軒ずつ。加えて、人びとの川離れや魚離れも進んでいます。清流文化とともに育くまれてきた長良川の漁業は、まさに風前の灯火!
<代表平工さんと長良川の出会い>
大学で水産学を専攻し、卒業後は川遊び体験のインストラクターをしていた平工さんは、子どもたちの川離れと水難事故発生の関係や、地元の人ほど良質な鮎を食べたことがないという「川離れ」の現実を目の当たりにしました。また、良質な川魚が地元に流通しないことにも疑問を抱くように。一度は生活のために他業種に転向したものの、川文化に触れたあの感動が忘れられず、家族を説得して川漁師の道に進むことを決断しました。今はご家族の応援のもと、事業に取り組まれています。
<川のヒーロー現る!>
事業を始めて3年目を迎えた平工さんは、長良川のそばに拠点を構えることを決意します。思い描いたのは、若手川漁師がプロデュースした、新たな清流文化を発信する拠点。清流文化のブランドを向上させ、住民と川がもっと身近になることを目的とした場所です。検討の結果、水産研究所や水族館などの関連施設も近い各務原市役所近くの物件を、新拠点に選びました。具体的には、天然鮎の生鮮販売やお弁当の販売、魚食普及活動としての魚の捌き方講座や天然鮎の料理教室などのイベント開催、川遊びインストラクターの経験を生かした青少年向け環境教育や自然体験プログラムの提供などを、新拠点で行う予定です。長良川のヒーローの誕生です!
<momoの融資資金は新店舗開設に使われます!>
このたびmomoは「結の舟」へ、店舗運営の資金90万円を融資することを決定しました。融資期間は11ヶ月間。この90万円は、店舗の改修費用のほか、厨房機器や調理器具の導入にかかる費用や、市民参加型プログラムで使用する水槽などの機材購入費に充てられます。店舗のオープンは9月1日。長良川流域に住まう、たくさんの人びとの縁や希望を結ってこしらえた「結の舟」。いよいよ出航本番ですー!
結の舟のお店はこちら☆
住所:岐阜県各務原市那加桜町2-297(名鉄「各務原市役所前」駅から徒歩1分)
営業日時:不定
(〜11/30までの鮎漁の期間中は漁の合間、平工さんが店舗に居るときにだけ営業。
営業詳細は「結の舟facebookページ」にてご確認ください。)
(momoレンジャー まなみん)