momoレンジャーのゆっこです。今回は大学の調査実習という授業で行ったグループ研究について書きます。研究テーマは「NPOへの参加経路」です。参加経路によって組織への関わり方や個人的属性に違いがあるかどうかを調査しました。学生が行った調査なのでまだまだなところもあるかと思いますが、こんな感じなんだーと読んでもらえると嬉しいです!
藤本隆史氏が2008年に行った調査(以下:先行研究)では、NPOへの参加経路は一般企業よりも紹介によるものが多く、偏りがあることが明らかとなりました。私たちは約10年前と現在で変化がみられるのか、先行研究と比較検証することを、調査の目的としました。インタビュー調査とアンケート調査を実施しましたが、すべて書くと非常に長くなってしまうので、アンケート調査で変化が顕著であった項目をピックアップします。調査対象はランダムサンプリングで抽出された、名古屋市内のNPO法人36か所です。
今回の調査ではNPOへの参加経路として、紹介よりも公募による参加が少し多い、という結果になりました。
<先行研究>組織運営やミッション方針決定への関与度(%)
<今回の調査>
上の図のとおり、組織運営の関与度に関する項目で先行研究では紹介による参加者が関与度が高かったのに対し、今回の調査では公募による参加者の方が高くなっています。
また、先行研究において、活動を始めた動機として、「社会に貢献したいと思ったから」「NPOの理念に共感したから」に当てはまると答えた人は、紹介の方のほうが多かったのですが、今回の調査では公募の参加者のほうが多いという結果になりました。
現在のNPOに対する満足度は先行研究では紹介、公募にほとんど違いはなく、約2割の人が満足していると回答しました。
<今回の調査>紹介と公募の満足度の違い
上の図は今回の調査結果をグラフにしたものです。ご覧の通り、ほとんどの項目において紹介よりも公募の参加者の方が満足度が高くなっています。
先行研究では紹介による参加の方が良い結果を生むという結果が出ていましたが、今回の調査において公募による参加でも良い結果を生んでいることが明らかとなりました。約10年前と比べ、確実にNPO組織に変化が起こっていることが言えます。
今回は内閣府のHPに載っているNPOからサンプリングを行ったのですが、活動を行っていない、または連絡が取れないという団体が3分の1程度ありました。衝撃的でした。NPOが嫌いになるほど調査分析は大変でした。
(ゆっこ)